退職を見据えて [アルバイト社員、危機一髪]

 人事異動で、これまでチームを束ねてきた上司が、10月から別部署に移った。新しく入ってきたマネージャー、スーパーバイザーが、現在、仕事の内容や進め方をいろいろと探っているようだ。改めて業務チャートや組織図が配られたり、入力マニュアル変更に伴うミーティングが行われたりする中で、仕事のやり方が変わろうとしている気配をかぎとらずにはいられない。
 金曜日の夕方、新SV(スーパーバイザー)が業務ルームの壁際で、リーダーとずっと話しこんでいた。長い会話の内容は分からなかったが、SVが何度か「今まで何をやっていたんだ」と声を荒げるのが聞こえた。彼は、今の体制に問題があると考えているのだ。
 問題はあるだろう。私の他に、2年勤務したアルバイト社員(旧フレックス社員)はいない。みんなぼろぼろと辞めていったということは、辞めるだけの理由があったのだ。だがそのうち、私は問題点をも飲み込んで、そういう状況でこの仕事をやっていくのだと自分に言い聞かせて、ある意味それに慣れた。そのうち、古株と呼ばれる人間になってしまった。新体制では、かえって居心地がよくなるのだろうか、それとも私は邪魔者……?
 長いような短いような、2年という歳月。

 そんなことをとりとめもなく考えているうちに、ぐちゃぐちゃのどろどろで形のないものだった考え事が、少しまとまってきた。土日祝がきれいに並んだ秋の三連休、世間並みに休みをもらい、遠慮なくのんびりと体を休めながらも、頭の中では忙しくいろんなことを考えていた。

 今の会社にいて出世できるとも、辞めて転職できるとも思えない。私は、働いているうちになぜだか自分を信じられなくなってしまった。仕事を通して何か得意分野がひらけたり、特筆すべき経歴ができたりすることはなく、逆に自信を喪失することだけだった。真面目に働いているにもかかわらず、自分の能力不足だけが目につくし、体は壊れるやら、気持ちのハリも失われるやら。現在、私には市場価値がないと言ってもいいのではないか。
 だが、上司の異動、部署の変化をきっかけに、自分もヴァージョンアップしたくなった。
 そのためには。

 思い切って、

 辞めるか!


 最近時々脳裏をかすめることがある、「退職」の二文字が、太字になったような気がした。それでも、まだ現実的ではなかった。業務内容や性質はけっこう私に合っていると思うし、これほど家から通いやすい職場は滅多にないのである。それなら、なぜ続けないのか。


 この記事、つづく。

木谷梨子

2005-10-11 00:12:14 | Permalink | コメント(0) |

天晴 [アルバイト社員、危機一髪]

 復讐を決意して出社したら、彼女は休みだった。見事に危機を回避? 敵ながらあっぱれ。

木谷梨子

2005-10-04 20:10:09 | Permalink | コメント(0) |

茶髪、腹痛、正座 [日常blog]

友人に映画館の割引クーポンをもらっていたので、何かいい映画を安く見ようとほくほくしていたのだが、有効期限は9月30日まで。つまり、今日中(?)で切れてしまう。もらったのはだいぶ前だったのに、こうして無駄にしてしまう。もったいない……。
仕事帰りに劇場まで足を伸ばせればと思ったが、体力的にきっと無理だろう。明後日の朝から、家を空ける予定が入っている。元気だったら明晩発つところだった。しかし、腹が痛い。どうせ長時間同じ体勢を続けるのなら、暗がりでずっと劇場の座席におさまっているよりも、家で横になってじっと動かない方がよさそうだ。

鎮痛剤の効きが遅く、やっと楽になれた……と思ったら、もう退社時間だった。痛みの中にいる時はあまり嬉しくないが、合間には、久しぶりの凄残な眺め(?)にちょっと面白くなってきた。

明後日からの用事とは、田舎での法要である。悪くしたもので、今の髪は真っ茶色だ。別に赤くも黄色くもない茶。こちらでは普通で通っている色だけれど、ど田舎に行くとやはりいくらか浮いて見えることが想像される。母はあいにく、少しでも髪を染めるのを嫌がる人だし。だから法事の前に、ヘアサロンに行って髪色を戻してもらうつもりでいた。でも、これもずるずる延ばしていた。そして明日は、おなかが痛くて行けそうにないのである。
たいしたことではないかもしれないけれど、あとあとまで引き延ばしていると、自分の首を絞めるような結果が待っているものだなぁと思った。

私はこれから田舎町に、茶髪をとがめられながら、はらいたをこらえて正座するため、旅立とうとしている。

木谷梨子

2005-09-30 01:03:49 | Permalink | コメント(2) |

イージスとローレライ [日常blog]

友達に借りた。一気に全巻どすっと持ってきてもらった。イージス&ローレライ!

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全部並べると圧巻だ……。
読みたいなと思ってはいたが、自分では買わない類の本なので、借りられてラッキーだった。しかし、京極堂もそうだったが、こういう分厚い本を一旦読み出すと、えびせんのようにやめられない、とまらない。いかにも漢の世界! という骨太さがよくて、ごりごりした読感を気持ちいいと感じる自分がいる。
ご飯を作る時間がもったいないので、お外で読書する。迷彩パンツをはいて、がりがりとチャリをこいで、目的地(茶処。)にたどりつき、ごん太な本を読む。昨日は帰りにチャーリーがパンクしてしまい、押して帰った。歩兵だ。片道40分は、それほど短いというような距離でもないと思うが、全く平気である。ファッションのみならず、意外と気質までミリタリー系な自分に気づく?

いや、根っからではない。勿論、フィクションとしてのミリタリーが好ましいのだ。ファッションとはフィクションなり。
一度、実在の元自衛隊員さんと会ったことがあるが、一人称(「私」とか「僕」とかで言うところ)を「自分」と言い、同年代に対しても敬語を崩さない、異常な礼儀正しさにぎょっとなった。そのあとでは、「なんとかならないのぉ〜、それぇ〜〜?」と言う自分の口調が、やけにへなへな女子くさく聞こえたものだった。まあ、ロマンティックミリタリー路線とはこういうものかもしれない。

へなへなしたカフェ飯なぞ食べて、半日を読書に費やし、じつに軟弱に過ごす。

木谷梨子

2005-09-19 13:08:33 | Permalink | コメント(6) |

うれしくなくはずかし健康診断(急) ジャー [アルバイト社員、危機一髪]

「破」はこちら。

 健診の話を書き出したら、普通に通り過ぎていったたった1日の出来事なのに、文がなぜかぐんぐん恐ろしく伸びゆくので、分けて載せることににした。分けるしかなくなったのだ。序・破・急という章題は、展開のことをあらわしている…わけもなく、行き当たりばったりに「三部だからこれでいいか」と思っただけ。4回に分けたらきっと、全然意味もなく 起・承・転・結にしていた。

 恐ろしく快調に採血をすませて、ほぼ順調に終わった健診だったが、その平和の中でたった一度、1ミリだけ(?)不快に思った瞬間があった。問診票を見ながらのQ&Aタイムだった。急ごしらえの白簾をくぐって、白衣の男の前に進んだとき、嫌な既視感に襲われた。
 ぴしーん(亀裂)。奴だ、違いない。今度は鼻毛こそ切っていたものの(あるいは抜いた)、あの、昨年私の微熱問題を完璧に無視した医師だ。まだお勤めを続けていたのだ。

 そこまでは機嫌よく、まるでパレードのように正しく進んでいたのに。思わぬ再会に、喉の奥が ぐぐぅと鳴る(鳩か)。やはり、問診票の「医者嫌いです」は消さないでおいた方がよかっただろうか。貴様、よくも昨年は。それを面と向かって言ってや…やややのや〜♪
 がつんと言ってやりたいのはやまやまだが、これは職場の健診で、私はそう簡単に職を失うわけには行かないという弱みもあるのだった。今回は体調の悪いところはないので、その場はおとなしく振る舞い、質問にはおそろしく手短に答えた。酒は「飲まない」、煙草は「吸わない」、どこか具合の悪いところは「ない」……。わずか30秒のやりとりで、事は済んだ。だが、苦い気持ちはなお糸を引いた(納豆)。印象を改めることはできなかった。私はやっぱり彼が嫌いらしかった。

 この程度で相手に根強い嫌悪感を持つほど、私は狭い心の持ち主だったのか。こんな小さなことをいつまでも気にしなければならないものなんだろうか。何やら失望しながら、表に向かった。最後のレントゲンだけは、外に泊まっている健診車の中で行うのだ。
 胸部撮影のため、ブラジャーを脱ぐよう言われ、さっと片手を上げて「問題ないです!(きっぱり)」と答える。知らないところで、しかも薄暗い中では、グズの私は大概もたもたしてしまう。それが嫌で、あらかじめ着用していなかった。つまり、午前中ずっとノーブラで働いていたのである。
 着替えがいらないので、すぐに撮影に入った。
「それでは、大きく息を吸って〜」
 す〜っ。
「そのまま止めて下さ〜い」
 ぴた〜っ。
 ちかっ
 その時、ひらめいた。

 なぜにあの元鼻毛はみだし医師(私も言うようになったものだ。)が嫌だと感じたのか、その理由だ。完璧に説明がつく。ブラジャーだ。レントゲンをとる際の邪魔になるので、女性は脱がなければならない。
 レントゲン技師は、気を使ったのか使わないのか分からないが、決して「ブラ」とは言わなかった。それを、問診の元鼻毛は、「ブラの下までシャツをめくって」と(私はつけてなかったんだけど)。ブラジャーのジャーが欠如していた。それに対する生理的な不快感が、私の中にこみあげてきたというわけなのだ。(って…、こういう話をでかでかとネット上に書いていいのかどうか……)

 私も友達も、ブラジャーのことはブラと呼ぶ。ブラのどこが悪いだろう。悪くは、ない。しかしそれ(ブラ)は、男子禁制で、親しい女の子同士での会話で出てくる言い方なのだ。普段会っていない人間、その上一応男性の口から聞いたときのそれについては、私の場合は喉元にぐぐっと、何とも言えない嫌悪感がつきあげてきてしまうのである。

 いつからか、聴診器をあてるためにシャツを上げるよう言われても結構平気になり、即座にがばりとできるようになってしまった私であるが、数年前まではお医者に体を見られるのが内心嫌だった時期も存在した。そういう恥じらいを、何歳になっても捨てられない人もいるかもしれない。私だって、また逆戻りして「やっぱやだ」と感じるようになるかも分からない。人に向かって胸だの腹だのを出すのは、どうしたって、楽しいことではないのだ。
 向こうはご職業なのだから、なれっこだろう。いつも、何べんも言っていることなのだろう。健診の日だけで、トータル何人に向かって、ブラ、と言ったのだろう。だったら、何も考えずに機械的に行うのではなく、受診者が嫌がらない言い方を考えついてもよさそうな頃である。
 医者も日常、知り合いと話している時なんかは、ブラでいいかもしれない。だが、仕事の場ではいかがか。断固、彼はジャーまで言い切るべきだ。そう、私は思った。

木谷梨子

2005-09-06 21:15:55 | Permalink | コメント(0) |



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